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更新日 2026.10.25
投稿日 2026.10.25
採用動画を作ったのに、応募が増えない。媒体費は相変わらず高いまま——そんな経験、思い当たりませんか?
採用動画はもう珍しいものではなくなりました。だからこそ「作るかどうか」ではなく「どう作るか」で成果が分かれる時代です。同じ尺、同じ予算でも、誰が・何を・どんな順序で語るかで反応はまるで変わる。その差は、映像のかっこよさではなく設計の精度から生まれます。
この記事では、CPA改善や定着率まで「成果」を基準に選んだ採用動画の事例を7つ紹介します。事例を通して、制作で成果を分けるポイント、媒体費をどこまで圧縮できるのか、そして気になる「その後の離職率」までを具体的に掘り下げていきます。
採用動画は「作る時代」から「設計する時代」へ
「とりあえず採用動画を作っておこう」——数年前ならそれで一定の効果がありました。動画があること自体が差別化になったからです。でも、いまは違います。
なぜ同じ予算でも成果が分かれるのか

採用動画の世界では、同じ100万円をかけても応募が殺到する会社と、ほとんど反応がない会社に分かれます。この差はどこから来るのでしょうか。
答えは、制作の入り口にあります。多くの採用動画は「自社が伝えたいこと」を起点に作られます。事業の強み、福利厚生、社員の声——どれも大切な情報です。でも、求職者が本当に知りたいのは「自分がここで働く姿を想像できるか」という一点。送り手の伝えたいことと、受け手の知りたいことがずれたまま作られた動画は、どれだけ丁寧に作り込んでも届きません。
成果を出す会社は、この順番が逆です。求職者のインサイトを起点に据え、そこから逆算して構成を組み立てる。料理に例えるなら、自分の作りたい品を出すのではなく、目の前の客が今日何を食べたいかを聞いてから献立を決めるようなものです。同じ食材でも、出す順番と組み合わせで満足度はまったく変わります。
採用動画がうまくいかない会社の多くは、動画の質ではなく設計の前提でつまずいています。作り込む前に、誰に何を届けるかを問い直すこと。
「成果で選ぶ」とはどういうことか
採用動画の事例を紹介する記事は数多くあります。ただ、その多くは「映像がかっこいい」「演出が凝っている」という見た目の基準で選ばれたものです。もちろんクオリティは重要ですが、採用担当者が本当に知りたいのは「で、結果はどうだったのか」ではないでしょうか。
この記事で取り上げる7事例は、すべて成果——CPA(採用単価)の改善や応募の質、定着につながる手応えを基準に選んでいます。見た目の華やかさではなく、数字と現場の実感で語れる事例だけを集めました。
成果で選んだ採用動画の成功事例7選

ここからは具体的に見ていきます。業種も企業規模もばらばらですが、成果を生んだ設計には共通の論理があります。読みながら、その共通点を探してみてください。
① 専門職採用の壁を越えた事例|データアナリティクスラボ
社員の約9割がデータサイエンティスト。金融・製薬・広告など世界的企業と取引し、毎年200%成長を続ける国内屈指のデータ分析支援企業が、データアナリティクスラボ株式会社です。
同社の課題は、高度専門職ならではの母集団形成の難しさにありました。スキル要件や研修制度を整然と説明する従来型のクリエイティブでは、ターゲットの心が動きにくい。そこで採ったのが、Vlog型の採用ショート動画による”職場のリアル”の可視化です。
コードを書くだけの理系職場ではなく、議論があり、成長があり、チームの温度感がある。その日常を切り取ることで、求職者は自分がここで働く姿を解像度高く想像できます。第一人者である取締役が直接レクチャーする研修や、未経験から育つキャリアパスといった強みも、人の口から自然に語られる構成に落とし込みました。結果、応募の質と量の双方が向上。専門職採用ほど、働く実感の伝達効率が成果を動かすという実例です。
② 世界観を守りながらCPA300%改善|THE TREAT DRESSING
世界中から厳選したインポートドレスを揃え、業界から「日本ならTREAT」と認知されるウェディングドレスのセレクトショップ、THE TREAT DRESSING。ブランドの世界観が命のこの会社が直面していたのは、採用・集客の両面での獲得単価の高騰でした。
ブランドの世界観を守りながら、いかに獲得効率を高めるか。採用では、現場の空気感をそのまま切り取るVlog型の採用ショート動画を制作しました。演者の自然な表情とショップの温度感が「自分がここで働く姿」を想像させ、応募の自分ごと化を促します。手応えを掴んだ段階で、求人媒体からMeta広告へ大胆にシフト。
結果、採用CPAは300%以上改善し、応募数も業界上位の水準に達しました。世界観と獲得効率は両立できる——その答えを数字で実証した事例です。「世界観を守ると効率は落ちる」と思い込んでいませんか? 両者は本来、トレードオフではありません。
③ 大企業の”らしさ”を保った事例|オムロン エキスパートエンジニアリング
オムロングループを技術人材の面から支える、オムロン エキスパートエンジニアリング。大企業グループならではの安定基盤を持つ一方、採用動画には「既存の枠組みで作るとどうしてもかっちりしてしまう」というジレンマがありました。
コーポレートの品位を保ちつつ、SNSのタイムラインで戦えるトーンに振り切りたい。その狭間での提案は、シンプルでした。「広告に見えない広告」が勝つ、という発想です。硬いインタビュー構成ではなく、ユーザーの今の目線に合ったVlog型カジュアルな採用ショート動画へ大胆にシフトしました。
結果、初稿の段階で社内が一気に盛り上がり、社長からも「これまでにない雰囲気で非常に良い」と評価の声。”らしさ”を守りつつ新しい挑戦ができる、という手応えを共有できた一本です。
大企業ほど「かっちり」から抜け出せない。でも求職者が見ているのはSNSのタイムラインです。そこで馴染むかどうかが勝負を分けます。
④ プル型からプッシュ型へCPA300%改善|MOMO NATURAL
1953年創業の老舗木工メーカーを背景に、Simple & Naturalを掲げて全国に直営店を展開するインテリアブランド、MOMO NATURAL。インターン採用で、従来のプル型採用媒体だけでは応募の母数と質が伸び悩む課題を抱えていました。
提案したのは、ショート動画とSNS広告によるプッシュ型施策への思い切ったシフトです。求職者が自ら検索する前に、彼らのタイムラインへ”働く姿”を直接届ける構造へ転換しました。クリエイティブの軸は、Vlogならではの没入感。店舗の温かい光、スタッフ同士のやり取り、接客の所作——静止画では決して伝わらない「現場の空気感」を、丁寧なカットワークで切り取りました。
結果、CPAは300%以上改善。応募数の増加だけでなく応募の質も向上し、ブランドへの解像度が高い候補者が集まる構造になりました。世界観を保ったまま、採用は加速できるのです。
⑤ 求人のプロをSNSネイティブに再構築|ネオキャリア
中途・新卒・派遣・人材紹介と人材領域を横断する、年商約500億円規模のHRソリューション企業、株式会社ネオキャリア。求人広告のプロフェッショナル集団である同社の課題は、自社の採用ブランディングのアップデートでした。
求人広告のプロだからこそ、自社のクリエイティブにも次の一手が求められる。提案したのは、現場の温度感をそのまま切り取るVlog型の採用ショート動画です。社員の自然な表情、職場のリアルな空気、語られる言葉のリアル感。大手にありがちな整いすぎた採用動画ではなく、SNSのタイムラインに自然と馴染むトーンへ仕上げました。
結果、求職者の動画完視聴率・応募意欲指標がともに改善し、質の高い応募者の獲得に貢献。スケールを持つ企業ほど、”らしさ”を保ちながらSNSネイティブに振るバランス設計が成果を分けます。
⑥ 職種の本音でCPA200%改善|カラフルエージェント
ドライバー・建設・整備士・介護など9種以上の専門エージェントを展開し、ノンデスクワーカー領域で実績を誇る人材紹介サービス、カラフルエージェント。採用繁忙期を見据えた母集団形成が目的でした。
核に据えたのは、転職前後のビフォーアフター構成です。ただ職種を紹介するのではなく、ターゲットが”今の自分と未来の自分”を一本の動画の中で対比できる設計に振り切りました。たとえばトラックドライバー求人では「残業続きの毎日が解消されてプライベートが充実、給料も上がった」という具体的なストーリーに落とし込んでいます。
ドライバー職種の本音に刺さる訴求と、同じ悩みを抱える層からの強い共感により、CPAは200%以上改善しました。職種理解と心理理解の解像度こそが、求人クリエイティブの勝敗を分けるのです。
⑦ 海外の先行事例|McDonald’s Italy(TikTok採用)
最後は海外に目を向けます。マクドナルドはイタリアでTikTokを活用した採用キャンペーンを展開し、TikTok for Businessの公式ケーススタディとして取り上げられています。In-Feed広告フォーマットを使った採用訴求で2,400万インプレッション・15万クリック以上を達成しました(※1)。
注目したいのは、店舗スタッフの働く現場を映したクリエイティブが、採用広告特有の”整いすぎた印象”を払拭していた点です。若い求職者からの共感を集め、ブランドと採用の両軸を動画で統合したモデルとして評価されています。国も業種も違いますが、勝因は国内事例と驚くほど共通しています。
7事例から見える、成果を分ける制作の3ポイント

7つの事例を並べてみると、業種も規模もばらばらなのに、成果を生んだ設計には共通の論理が浮かび上がります。偶然ではありません。ここを押さえられるかどうかが、成果の分かれ道です。
① ターゲットの「本音のインサイト」から逆算する
データアナリティクスラボもカラフルエージェントも、出発点は「ターゲットが本当は何を考えているか」の解像度を上げることでした。求職者が口に出さない不安や願望——そこを捉えられるかどうかで、刺さり方がまるで変わります。
採用動画でやりがちなのは、企業が伝えたい強みを並べてしまうこと。でも、求職者が反応するのは「自分の悩みが分かってもらえている」と感じた瞬間です。インサイトの解像度こそが、最初にして最大の分岐点だと言えるでしょう。
② 「誰が語るか」を設計する

同じメッセージでも、語り手が変われば説得力は大きく変わります。専門職採用なら現場の社員、ブランド採用なら世界観を体現する演者。誰の口から語られるかを設計することは、何を語るかと同じくらい重要です。
THE TREAT DRESSINGやネオキャリアの事例が示すのは、整いすぎたナレーションよりも、現場の人間の自然な言葉のほうが届くという事実。求職者は、作られた言葉と本音の言葉を驚くほど敏感に見分けます。
③ 「広告に見えない」コンテンツとして作る
オムロン エキスパートエンジニアリングの事例で象徴的だったのが、「広告に見えない広告」という発想です。SNSのタイムラインでは、作り込まれた広告は一瞬でスキップされます。視聴者が「これは広告だ」と気づいた瞬間に、心は離れていく。
大切なのは、求人広告をそのまま動画にするのではなく、求職者が思わず見入る”コンテンツ”として設計すること。この視点があるかないかで、完視聴率も応募意欲も変わってきます。
3つのポイントは別々の話に見えて、根は一つ。すべて「求職者の視点で作れているか」に帰結します。
採用動画で、媒体費はどこまで抑えられるのか

ここで、多くの採用担当者が一番気にしている問いに向き合います。採用動画は、媒体費の負担をどこまで軽くできるのか。
媒体費が下がらない構造をおさらいする
そもそも、なぜ採用の媒体費は下がりにくいのでしょうか。理由はシンプルです。「その媒体に載らないと母集団が作れない」と企業が感じている限り、価格交渉力が生まれないからです。求人媒体は登録求職者数を背景に価格を維持でき、企業は使い続けるしかなくなる。この依存構造が、費用の高止まりを生んでいます。
採用コストの構造そのものについては、別記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。【内部リンク:採用コストが下がらない本当の理由】
動画は「消える費用」ではなく「積み上がる資産」
採用動画が媒体費の課題に対する答えになりうるのは、費用の”性格”が違うからです。
求人媒体への掲載費は、毎月払い続けても掲載期間が終われば何も残りません。一方、採用動画は一度作れば自社サイト・SNS・説明会と繰り返し使え、コンテンツとして積み上がっていきます。事例で見たMOMO NATURALやTHE TREAT DRESSINGのように、媒体から自社チャネルへ軸足を移せば、媒体への依存度そのものを下げられる。CPA200〜300%改善という数字は、この構造転換の結果でもあります。
「動画にお金をかけるのはもったいない」と感じるかもしれません。でも、毎月消えていく媒体費と、資産として残る動画と、長い目で見てどちらが安いか——一度立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。
採用動画の種類別・費用と使いどころ
採用動画にはいくつかの型があり、目的によって使い分けます。代表的なものを整理しておきましょう。
社員インタビュー動画は、社風や人柄を伝えたいときに有効で、比較的取り組みやすい型です。事業紹介動画は、複雑な事業をわかりやすく伝えたい場合や認知拡大に向きます。オフィス紹介動画は、職場の雰囲気を見せて安心感を醸成する用途に。コンセプトムービーは、価値観への共感を促し、ブランドメッセージを印象づけたいときに力を発揮します。
そして近年、認知の入り口で存在感を増しているのが縦型のショート動画です。ここで一つ意識したいのは、「どの種類を作るか」よりも「どの場面で使うか」のほうが成果に直結するということ。説明会で流すのか、SNSのタイムラインで戦うのか、自社サイトに置くのか。使う場所が決まれば、必要な尺もトーンも自ずと定まります。種類選びは、その次の話です。
採用動画で、その後の離職率は下がるのか

採用動画のもう一つの効果が、入社後の定着です。応募が増えるだけでなく、辞めにくくなる——本当でしょうか。
ミスマッチが減る仕組み
早期離職の多くは、入社前のイメージと入社後の現実のギャップから生まれます。「思っていた職場と違った」という、あの感覚です。
採用動画は、このギャップを埋めるのに向いています。テキストの求人票では伝わらない職場の空気感、社員の話し方、仕事のリアルが動画では直感的に伝わる。求職者は応募する前に「ここは自分に合いそう」「ここは違うかもしれない」と判断できます。結果として、入り口の段階でミスマッチがふるい分けられ、入社後の「こんなはずじゃなかった」が減っていきます。
データで見る、ミスマッチと早期離職
ミスマッチの影響は、データにも表れています。マイナビの調査では、採用後に「やっぱり離職」を経験した企業が39.6%に上り、その要因の第1位が「仕事内容のミスマッチ(24.5%)」でした(※2)。
裏を返せば、入社前に仕事内容のリアルを正しく伝えられれば、早期離職のリスクは下げられるということです。採用動画は、まさにこの「仕事内容を直感的に伝える」ことに長けた手段だと言えます。
「リアルを見せる」ことが定着につながる

ここで一つ、見落とされがちな点があります。定着につながる採用動画は、良いところだけを見せる動画ではない、ということです。
メリットばかりを強調した動画は、入社後のギャップを逆に広げてしまう。大変な面も含めて等身大の現実を見せることで、求職者は「それでもここで働きたい」と納得して応募します。この納得感が、入社後の定着を支えます。事例で繰り返し登場した「現場のリアルを切り取るVlog型」が定着面でも強いのは、まさにこの理由からです。
採用動画で取り繕った会社ほど、入社後に苦労します。等身大を見せる勇気が、結局いちばん定着率を上げる。
採用動画を成功させるために、最初に問うべきこと
ここまで7つの事例と、そこから見える制作のポイント、媒体費と離職率への効果を見てきました。
最後に、採用動画を始める前に問うてほしいことがあります。それは「自社が伝えたいことは何か」ではなく、「求職者は何を知りたがっているか」です。順番を間違えなければ、採用動画は媒体費を抑えながら、辞めにくい人材を集める強力な資産になります。
成果を生んだ事例に共通していたのは、映像の派手さではなく、求職者の視点に立った設計でした。採用動画は、獲得施策であると同時に、自社が「どんな会社か」を語る採用ブランドそのものでもあります。獲得とブランディング、その両輪をどう噛み合わせるか——そこに、成果を分ける本質が隠れているのではないでしょうか。
採用動画・ショート動画制作についてのご相談は、株式会社リシンクへお気軽にどうぞ。【内部リンク:お問い合わせ】
参照データ一覧
※1 TikTok for Business ケーススタディ(McDonald’s Italy)https://ads.tiktok.com/business/en-US/inspiration/mcdonald%E2%80%99s-877
※2 株式会社マイナビ「中途採用状況調査2025年版(2024年実績)」https://career-research.mynavi.jp/reserch/20250326_93514/

採用情報
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